スタートアップ コミュニティ in Sillicon Valley
こんばんは、Microsoft Ventures Tokyo の大田です。
今回 10 日にわたって、以下2つにフォーカスして US へ出張してきました
- 最新技術の習得
- 現地スタートアップコミュニティの調査 (シアトル・シリコンバレー)
最新技術については社外秘の内容も含まれているので、主に現地スタートアップコミュニティに的を絞って 4 つのブログを書いていきます。今回は 3 つめの "スタートアップコミュニティ in Sillicon Valley" に関する内容です。
- スタートアップコミュニティ in Seattle
- Twitter 本社訪問 in San Fransisco
- スタートアップコミュニティ in Sillicon Valley
- US 滞在中に役立ったアプリの紹介
より詳細な内容が気になる方、海外展開に興味のあるテクノロジーベンチャー起業家の方は是非 Microsoft Venures Tokyo へご相談ください。@masota0517 宛にご連絡いただければ私が対応させていただきます。
今回訪問した地域
シリコンバレーはサンフランシスコ~サンジョゼあたりまでのベイエリアを指すらしいのですが、今回はスタンフォード大学のあるパロアルトへ訪問しました。
今回は、スタンフォード大学の様子と、スタンフォードどガッツリ組んでいるアクセラレータ StartX を紹介します。StartX は最近では Y Combinater よりも注目されているとのことで、訪問の約束を取り付けてくれた Microsoft Ventures US のメンバーには大感謝です!
サンフランシスコからパロ アルトへの移動
パロアルトやサンジョゼなど南部の都市へはBart では移動できないので、Cal Train というローカル線に乗る必要があります。2F 建てのでっかい電車です。この電車 1 時間ごとにしか来ないので、スケジュールは本当に気を付けた方がよいです。
スタンフォード大学訪問
まずはスタンフォード大学へ。
友人が留学中だったので、大学に通っている台湾の学生含め 4 名で食事をとりました。台湾も日本と似たような状況らしく、以下のようなお話が印象的でした。
- 台湾は現状維持の文化で、全くチャレンジしない
- シリコンバレーでは失敗していない人間はチャレンジしていないと思われるが、台湾で失敗すると揶揄される
実際に起業している彼はスタンフォードでの授業・コミュニティに非常に強い影響を受けたらしく、まぶしい笑顔でこう言っていました。「失敗するか? お金を持っているか?何が出来るかは聞いてこない。あなたの夢は何ですか?という質問をされる。この雰囲気が大切なんですよ。夢を持つことが当たり前な状況、それを支えるコミュニティがあることが本当に素晴らしい!!」とシリコンバレーメンタルの核心に触れるようなお話が聞けました。僕も1ヶ月くらいサマースクールとかで参加して、この雰囲気を体感したいものです。
食事を終えて、実際に学校の中へ。バス or 自転車を使わないと移動はかなり辛いです。場合によっては、Uber、レンタサイクル、Zipcar で車を借りるのもあり。
メインの講堂は歴史を感じる立派な建物でした~
講堂から向かって右側に歩いて 15 分程度の理工系ゾーン。何を作ろうとしているのかとても気になる。
日本の理工学部では見たことのないパラソル付のオープンテラス。リア充どもめ!!
メインの講堂から奥に 5 分ほど歩いた教会 (結婚式も挙げられます)
端の見えない廊下。(どこの廊下も端は見えない・・スケール大きすぎw)
図書館 (のうちの 1 つ。他にもあるらしく、図書館の充実っぷりがハンパない)
図書館の中には共用の PC、 3D プリンター、動画編集ソフト、自習用スペースが多くありました。新しい技術を学生が常に触れられる場というのは素敵ですね~
仕事を選ばないキティさん、スタンフォードでも大活躍!!
スタンフォードは良いから、そろそろスタートアップの話を!とお思いの方も多いかと思うので、そろそろ StartX の話を始めましょう。
StartX
StartX はスタンフォードと密に連携したアクセラレータです。
主にスタンフォード大学生をファウンダーとするスタートアップが多く、コワーキングスペースも提供していました。
エントランス入ってすぐのオープンテラスはゆっくりと時間が流れており、学生たちがリラックスして議論をしていました。
オープンテラス入ってすぐのキッチン & コミュニケーションスペース
卓球スペースはすごく盛り上がっており、訪問中ずっとやっていた。いつビジネスをしているのかが謎なくらいず~っと卓球をしていましたw
投資家向けのピッチスペースがあり、ここで投資を募るためのピッチを行います。
1F にはこのようなパブリックスペース、科学実験用のラボがあり、
2F が各スタートアップ向けのオフィス、会議室がありました (2F は撮影禁止のため、文章のみで紹介します。)
2F には、IT (Consumer, Enterprise)、Medical、Hardware の 3 つの色分けされたゾーンがあり、各スタートアップはゾーンごとに座っています。
このゾーンは静かに作業する場所になっており、ラウンジはまた別の場所にあります。ラウンジには、ファウンダーの顔写真が張っており、常に仲間の募集をかけているようでした。
StartX の特徴
US には多くのアクセラレータがいるため、対応してくれた Robin さんへ StartX の特徴を質問したところ、以下 3つを上げていました。
スタンフォード ブランド
US でのスタンフォードブランドは非常に強く、US に滞在していた田中かずきさんによると、「ハッカソン・ミートアップではスタンフォード生はいる?と質問されて、スタンフォード生と分かると、待遇が一気に変わる」くらいの特別待遇っぷりです。
スタンフォード生が集まるアクセラレータというのは、優秀な起業家を掘り起こしたい投資家、パートナーからすると絶好の場所で、それが投資家・パートナーに対する強みになっているらしいです。
オーダーメイド型の教育プラン
スタートアップに対して、StartX はオーダーメイドの教育プランを提供しています。教育プラン用の専門スタッフがおり、面接をしたうえでその後のプランを決めます。もちろん、IT, Medical, HardWare をすべて StartX のスタッフができるわけではないので、Microsoft 等の IT 企業、スタンフォード大学病院、ハードウェアメーカーと連携し、教育プログラムを充実させており、これが起業家への強みになっているとのこと。
非営利
StartX は多くのパートナー企業から運営費を支援されており、非営利で運営していました。投資による収益を上げるつもりはなく、基本的にピッチイベントを開き、外部の投資家を呼び込む形で起業家へ資金提供をしています。
日本と比較した際の印象
日本と比較した際の印象として、Consumer IT だけではなく、Enterprise や Medical, Hardware への参入具合が進んでいる印象を受けました。「それだけ多くの領域の起業家を自分たちでサポートするのは大変ではないか?」と質問したところ、「こういった領域 (Web, mobile の外の領域) での起業には、既に知識を持っているパートナーとの連携が非常に重要」という返答があり、大企業、CVC、大学との連携を強めているようです。
日本においても、KDDI ∞ (ムゲン) ラボにて、「インフラや知見を持つ大企業とスタートアップの連携」を押し出していましたが、今後 Web, mobile 以外の領域へ手を伸ばしていく場合には、うまくパートナーと連携しビジネスを加速させることがキーになりそうだと感じました。
おまけ : カフェ事情 + α
パロアルトには、オープンテラス付の可愛いカフェが多かった。
日本のスタバみたいに混雑してないし、のびのびミーティングや作業ができます。
パロアルトではなく、別の地域のカフェで食べた 800 円の朝食
量は多いです。二人で1皿で十分な量で、おなかいっぱいになりました。
GoPro がいろんな場所で売られてた。欲しくなりますねぇ
徒然なるままに画像を張り付けていますが、パロアルトの駅で見た空が忘れられないです。どこまでも広がる空。また訪問したい。