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Hack & Sports

Microsoft エバンジェリスト&トライアスリート 大田 昌幸の個人ブログ

製品開発を1ヵ月ほど早める Hackfest というアプローチ

startup Technology Azure diary web イベント

最近 Hackfest という活動をしているのだけど、面白い&効果が高いので共有します。 世の中の Evangelist, Devrel 周りの方々や、製品展開に関わる方々には割と役立つかと思います!

そもそもの前提

Microsoft, Googleなどのプラットフォーマー企業は、開発者向けのSDK, API を多く提供しています。 その中で「開発者」と良い関係を作り、自分たちのプラットフォームを活用した先端事例を作るマーケティング部隊があって、それがEvangelist, Adovocate, Devrelと呼ばれる人たちです。 Microsoftの場合には Evangelistという名称なのですが、僕もその一人です。

Evangelistにも色々な流儀があって、僕の場合には以下のような気持ちで活動しています。

  1. リリースを通して担当しているお客様とともに成功したい
  2. 周囲をアッと言わせるような先端事例を作ることで、周囲に「これは乗っておいたほうが良い!これが当たり前なんだな」と思う影響を与えていく(Domino Effect)
  3. ビジネス課題を解決する手段としてテクノロジーがある
  4. 世の中にリリースされた製品で使われたテクノロジーこそ価値がある

ビジネスって結局人間関係なので1は重要だと思いますし、自分はマーケティング部門にいるので2については対応案件を決めるときにすごく意識しています。 (もちろん、まだ全部きっちりできているわけではないです。。まだまだ未熟でご迷惑をおかけすることもありますが、何卒ご容赦ください。)

また、上記のような気持ちで動いているので、僕はプレゼンしている時間よりもお客様先にいる時間のほうが圧倒的に多いです。

先端事例のメリットって?

最近市場の流れは非常に素早く、企業の盛衰も激しいです。 そんな中で先端事例を作るメリットって何かというと、だいたいこんな感じです

  • 担当企業: 先んじて先端事例を作ることで引き合いが多くなる(営業労力が減り、売り上げが立ちやすくなる)
  • 開発者 : 先行事例の分野での第1人者として認知される(社内外でのその後のキャリアにつながる)
  • プラットフォーム企業 : 「その先端事例の分野ならMicrosoft!」と思われることでより多くの開発者に注目される/好きになってもらえる

プラットフォーム企業の立場からすると、最近出したばかりの技術を使った先端事例はすごい貴重なので、とても大切にします。 大切にするというとどういうことかというと、大規模イベントの基調講演や、個別案件のミーティングでの紹介が増えます。となると、担当企業様は自然と露出機会が増えて営業機会が増えます。

具体的な例としては、aroba様があげられます。 aroba 様はMicrosoft Cognitive Serviceをいち早く活用し、店舗マーケティングソリューションアロバビュー コーロを開発/販売されました。公開されている導入事例としては、東京サマーランド様、セイバン様、マツダ様に導入されています。

まずaroba 様にはde:code 2016にて200名部屋にて講演いただきました。 f:id:NT-D:20161005224553p:plain

その後、相棒の福地さんの社内エバンジェリズムの結果Japan Partner Conference 2016 の基調講演でも紹介させていただきました。 f:id:NT-D:20161005224628p:plain

基調講演個別講演ともに動画公開されていますので中身是非も見てください。面白いです。

先端事例の作り方って?

上記のような露出は最終的なアウトプットですが、それまでに何をするのでしょうか?

  1. お客様とのミーティング
  2. 技術の紹介
  3. メール等で技術的なアドバイ
  4. 社内でマーケティングに役立ちそうな露出機会を探す
  5. 紹介枠や出展枠の獲得
  6. 露出

端的にはこんな感じです。aroba 様の場合には、常盤木さんというスーパーエバの戦略、來田CTOやエンジニアの技術力がすごかったので、「これはすごい事例になるな」という感じがしました。 (僕は3で BI 周りの集計技術を提案させていただきました。お客様とつないでくださった砂金さんには感謝です!)

6 の露出フェーズではビジネス面、技術面での課題や解決の話をするので、経営者/技術者にとってすごい役立つコンテンツになります。僕はこういう色々経たうえでのプレゼンにこそ価値があると思うので、案件時間9、プレゼン時間は1かそれ以下くらいの割合で仕事しています。

この時重要なポイントは3つです。

  • 世の中的にウケるネタか?(今回は AI/認識技術。今にあってる!)
  • プラットフォーム企業にとっても押し出したい要素か? (Cognitive + Power BI なのでYES!)
  • 先端事例を作る気概があるか?

3番目はミーティングの最中になんとなくわかります。「先行事例はないですが一緒にチャレンジしますか?」と伝えた際に「事例ないのですね!ラッキー!うちが1番だ!」という担当者/会社かどうか?ということです。

案件での悩み

スムーズにいきそうですが、悩みもあります。技術的なアドバイスって難しいんです。理由はだいたい下記のような感じです。

  • 自分が担当しているのは去年は40-50社程度だったので、対応技術範囲は広範
  • プロダクト開発のためには深い技術が来るので、調査時間がとてもかかる
  • プランニング、ミーティング、講演等で時間があまりない

対応社数を絞ったりして今年は何とかしましたが、十分な対応ができていない会社様には頭が上がりません。。 社内でも「予定空いていない」といじられるので目下改善中です (色々仕込んでいるので・・という言い訳はおいておいて、仕組化して何とかします。)

そして、これがすごい重要なのですが、ずっと一緒にいるわけではないから、細切れの質問が来るので状況確認が難しく、調査する前にそもそも時間がかかるわけです。メールだとすべてを把握できないし、お互いストレスがかかります。 むむむ・・どうしよう。さて、長くなりましたが、ここからが本題です。

Hackfest というアプローチ

Hackfest というのは超シンプルに言うと、「担当企業向けの特別Hackathon」です。 僕のような Evangelist が企業に1~2日訪問して、技術概要をプレゼンし、ハンズオントレーニングを行い、そのあとは一緒に開発をします。技術力はあるけどAzureには慣れていない開発者にはとても役立ちます。

同じ時間を共有し、同じSlack Groupでやり取りして、同じレポジトリにpushしていくので、めちゃくちゃ開発効率が上がります!! (エンジニアさんも2日間完全ブロックになるので、お互い集中できてうれしいw もちろん、レポジトリやSlackのセキュリティは意識して問題ない範囲でやります)

Hackfestを実施した Future Standard CEO 鳥海さんからは下記のように感想いただいています。口頭では「1か月程度工数を短縮できた」と感想をもらい、10/14には製品リリースという爆速対応になりました!!!

当日の様子

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当日のタイムテーブル

1日目 学習+開発DAY

  • 10:00 – 12:30 概要プレゼン + ハンズオントレーニング
  • 12:30 – 13:30 昼食
  • 14:30 - 17:30 開発 + ハンズオン予備時間
  • 17:30 - 18:00 進捗確認

2日目 開発 DAY

  • 10:00 - 12:00 開発
  • 12:00 - 12:30 進捗確認
  • 12:30 – 13:30 昼食
  • 13:30 – 17:30 開発
  • 17:30 - 18:00 成果物の共有/フィードバック

Hackfest は続く

最後宣伝になってしまいますが、Hackfest はもちろんオープンになっています。 こちらのブログに情報や申し込み方法が記載されているので、興味ある方は是非お申し込みください。

blogs.msdn.microsoft.com

お互いに1~2日という時間を使うイベントなので、私の場合には「ビジネスゴール/マイルストーンのある案件」を優先して対応します。 先行事例や新たな収益を創出し、そして、日本から海外に向けて大きな事例を作っていきましょう!

(僕の個人的な目標は来年6月までに海外のカンファレンスで日本の企業の事例が紹介されることでして。海外のカンファレンス/メディアの内容がUSの事例ばっかりだと悔しいじゃないですか。日本にもすごい企業多いので、どうにか露出していきたいです。)

Evangelist, Adobocate, Devrel 関係の方にはすごい良いアプローチなので是非参考にしてみてください。 なお、日数はかかりますし、お客様先で製品を実装するので「覚悟と実装力」が必要です。ガッツリ行きましょう!